体の冷えの原因は何ですか?

筋肉の衰えと過剰な水分摂取が2大要因です!

 

どうして女性が冷えるのか。
冷えにくい人と冷えやすい人の差はどこにあるのか。
また、冷えるとなぜ不調が現れたり病気になるのか。
冷えについて基本的な疑問を説明しています!

 

女性が男性よりも体の冷えを訴えるのが多いのは、女性の筋肉量と水分の摂り過ぎに大きな原因があります。
筋肉量の多少が体温の高低と冷えの有無に関係し、筋肉が衰えると冷えのさまざま症状が現れます。また、熱中症予防や美肌ケアのために水分摂取が言われていますが、摂取するよりも排泄することを重視した方が冷えはもとより不調は改善され病気もよくなるのです。

 


男性よりも女性の方が体の冷えが多いのはどうしてでしょうか。

それは、筋肉量と体温、代謝が関係しています。

 

男性に比べて女性の筋肉量が少ないからです。筋肉は熱をつくり出す器官のひとつで、人間の体温の4割以上を産生しているのです。
その筋肉量が少なければ当然、熱を産生する力も弱くなるからです。女性でも、運動選手は筋肉量が多いですから、冷え性の人はほとんどいないのではないでしょうか。つまり、筋肉量の多少が体温の高低と冷えの有無に関係しており、筋肉が衰えると冷えのさまざまな症状が現れるという仕組みなのです。
体温と代謝は比例関係にあります。体温が高ければ代謝も高いです。平均体温の高い若いころは、多少食べすぎたり飲みすぎたりしても、短期間で代謝機能が働いてくれます。これは、体温を維持している筋肉量があるからです。
ところが年をとって筋肉量が落ちるにつれて平均体温が下がり、代謝機能の低下します。筋肉量と体温・代謝そこに年齢が加わりこの4つは相関関係に存在するのです。

 

したがって、年をとっても筋肉量を増やせば体温は上がり、代謝機能も高くなり、体の冷えも改善されるということです。
女優森光子さんは80代でスクワットを1日150回を日課とされていたそうで、下半身は筋肉の7割が集中していますからスクワットをして鍛えておられたことが伺えます。下半身を鍛えている人は間違いなく元気です。更年期症状も出にくいです。

体の冷えを巡るマイナス負の連鎖

体の冷えの大きな原因のひとつに水分のとりすぎが上げられます。

 

近年、熱中症予防や美肌ケアのために水分摂取が推奨されています。湿度の高い気候の下で暮らし、穀類や野菜が中心の食事をしている日本人は通常、1日1gで十分です。植物に水をやりすぎると根腐れしてしまうように、自分の体もとりすぎて代謝できない余分な水分が、体にさまざまな不調を引き起こしているのです。漢方ではこの症状を「水毒」と呼びます。

 

突然の雨に濡れてしまった服をそのまま着ていると、体が冷えてしまいます。それと同じ理屈で体の中に溜まった水分を放置しておくと、どんどん体が冷えてしまいます。こうなると血流が悪くなり、免疫力と代謝が低下します。すると不調を通り越して悪化し病気に至ります。水分を摂取することよりも排泄することを重視した方が、体の冷えはもとより不調は改善され、病気もよくなるでしょう。

 

同じ水分量を摂取しても、体に溜まりやすい人と溜まりにくい人がいますが、前者は代謝機能が落ちているということが考えられます。ということは筋肉量の少ない人でもあるという訳です。筋肉量の不足と多すぎる水分摂取は、車の両輪のように体の冷えを促進させる2大要因です。筋肉量と水分、それぞれが絡み合って冷え、マイナスの負の連鎖となって不調や病気をもたらしているとも言えます。

 

生まれつきの体質というものもあります。もともと体が冷えやすい陰性体質で生まれた人でも、運動して食事や生活スタイルに気をつければ問題はないでしょう。困るのは、陰性体質の人が体を冷やす生活を送っていることです。こうなると、ますます冷えを助長していることになりかねません。

 

体の冷えは陰性に傾いたサインでもあります。放っておいたら不調は治らず病気になります。悪循環を断ち切るためにも体の冷えとりを実践しましょう。冷えは万病のもとですが、冷えとりは百薬の長です。