体の冷えは何をおいても体温を上げることが先決です。漢方薬の70%以上に含まれている体を温める食べ物のナンバーワンである生姜(ショウガ)の凄さを簡単にまとめました。
生姜(ショウガ)を日常生活で上手に使って体の芯から温めて健康な体にしましょう。

温め力のヒミツは辛味成分にあり。。生姜(ショウガ)」の凄さを知ろう!

体を温める食べ物ナンバーワン 「生姜(ショウガ)」の凄さ!

 

もくじ
・生姜の薬効は400種以上
・全ての漢方薬7割に特攻成分が含まれている
・歴史上とても貴重品だった生姜
・伝染病も生姜摂取していれば無事だった
・生姜には自家解毒剤が備わっている
・生姜をどれぐらい摂ればいいのか
・世界各国での生姜の使われ方

生姜の薬効は400種以上

・生姜の薬効は400種以上も有ります!
生姜紅茶を飲むと風邪の予防にもつながるように、何故これほど生姜が効くのだろうか。
生姜の効能の一番は体を温めることである。生姜紅茶のによって体の冷えが治れば、さまざまな症状や病気が改善するように体を温めることは万病を治す言動力にもなる。また生姜には、消化や吸収を助けて胃腸を丈夫にすることや、痙攣や腹痛、鼓腸(ガスがお腹を張る)を直すといった効能もある。

 

生姜の皮のすぐ下の細い管には芳香性の油性の液体が含まれている。これは、精油と呼ばれるもので動物で言えば血液に当たり、植物の活力、精力の原動力となるものである。精油の芳香性分は昆虫から身を守ったり、小動物を寄せつけないようにする香りを放つものである。この芳香性分はジンギベロール、シトラール類(生の生姜のレモン臭の成分)など400種類以上存在します。また辛味成分として有名なのがジンゲロン、ジンゲロール、ショーガオール、カピサイシンであります。

 

こうした400種を超える成分の相互作用でによって生姜の薬効が生まれるのです。

漢方薬7割に特攻成分が含まれている

・全ての漢方薬7割に特攻成分が含まれている
生姜はインド原産で、学名は「Zingiber officinale」。
Zingiberは、サンスクリット語で「角状」を意味するsrimgaveraよりきています。根が角状をしているからでしょう。officinaleは「薬用の」「薬効のある」という意味です。

 

日本へは3世紀ごろ稲作とともに中国経由で伝わったといわれています。古代には「クレハジカミ」と呼ばれていた。「クレ」は中国を表す呉からであり、「ハジカミ」は「サンショウ」も意味という説と「生姜はあまりに辛いので食べると顔をしかめる」から来ているという説があります。
魏志倭人伝には「生姜やミョウガの利用の仕方がわからない」と書いてあります。しかし、平安時代になると日本でも生姜が栽培されるようになり、日本最古の医学書「医心方」には「平安貴族たちがすでにこのころ、生姜の薬効を認め、風邪薬として重用していた」と記載されています。中国では古くから生姜が重用されていたことが「史記」や「礼記」の記述から知ることができます。紀元前500年ごろに活躍した儒学の祖、孔子も「食事をするときは、生姜を必ず一緒に食べる」ことを習慣にしていたようです。

 

「傷寒論」には、「生姜は体内のすべての臓器を刺激して活性化させ、体を温める。代謝を調節し体内の余分な体液(水毒)を取り除き、駆風(ガスを排出)し、消化を助ける。心かぶ(みぞおち部分)の膨満を防ぐのに役立つ・・」と書いてある。中国の明の時代に書かれた薬学書である。「本草網目」には「生姜は百邪(さまざまな病気)を防御する」とある。現代の医師が処方する医療用漢方薬の約150種のうち7割以上の漢方薬に生姜が用いられていることを考えると、生姜は「5000年の治療師」といわれるわけがよくわかる。。

歴史上、貴重品だった生姜

・歴史上とても貴重品だった生姜
生姜は東洋だけのものではない。

 

紀元前から薬用として用いられてきた生姜は世界のさまざまな国で、まさに民間療法薬として重宝されてきた。例えば、生姜の原産地インドの医学「アーユルヴェーダ」これは単に医学というより、インドの哲学やインド人の精神に多大なる影響を与えているインドの精神文化の一部というべきものです。そのアーユルヴェーダでは生姜は「神からの治療の贈り物」とし、万病を治す力があるとしている。イスラムの聖典「コーラン」には、「天からの聖なるスピリッツ」と表現さ
れている。

 

「アラビアンナイト」では、生姜は「媚薬」として登場している。

 

生姜は、紀元前二世紀には古代アラビア人により、インドから海上ルートで古代ギリシャやローマに伝えられた。また、陸上ルートではインドからトルキスタン
、ペルシアなどを通り、トルコからヨーロッパへと運ばれている。ヨーロッパに渡った生姜の効能をまず最初に発見したのが、古代ギリシャ人である。哲学者ピタゴラスは、生姜を消化剤や駆風財(腸内のガスを排出する薬剤)として使っていたといわれる。続いて、古代ローマ人は、食中毒などの解毒剤として用いたとされている。アジアとヨーロッパの香辛料貿易では何百年にもわたり一番重要な商品がコショウ、そして次に生姜だったのです。マルコポーロやバスコダガマも、生姜に関して詳細な記述を残している。

 

貿易の花形であった生姜は、やがて王家の富と権力の象徴となり、その効能にありつけるのは、王家や上流階級の人たちだけとなってしまう。中世以降、生姜はますます高価なものになっていく。イギリスでは1ポンド(約450g)の生姜が1頭の羊とほぼ同じ値段だった。という。イギリスに限らずヨーロッパの都市では、おもに上流階級者向けに生姜が盛んに売られていた。スイスのバーゼルには「インベルガーゼ(生姜横丁)」と命名された古い街まである。。

生姜摂取していれば伝染病もスルー。。

伝染病も生姜摂取していれば無事だった
イギリスでは一人の王によって、生姜が一般庶民にも広がるようになった。
14世紀ロンドンでペストが大流行、市民の三分の一が死亡したとき生姜をたくさん食べていた人は死ななかった。この歴史的事実を知った16世紀、イギリスの王ヘンリー8世がロンドン市長び人形の形をした「生姜パン」をつくるように指示した。加えて一般庶民にも生姜をたべるように奨励したので、この頃から少しずつ非上流階級の人々も生姜を食べるようになったのです。こうした経緯から生姜を意味する英語のgingerには、名詞@生姜A元気、意気、ぴりっとしたところ、気骨 動詞@・・に生姜で味をつけるA元気づける、活気づける、励ます、鼓舞する ginger up・・・元気づけるという意味がある。

 

言葉というのはその国の歴史や文化、生活習慣から出来上がるものだ。gingerという単語は生姜のなんたるかを端的に物語っていることがわかるのです。また、イギリスではビールを生姜で味つけして飲む習慣がある。パブのカウンターでは、生姜入りのビールを熱した鉄棒でかき混ぜながら飲む人が多い。風味が出て美味しいのだそうだ。もともとビールは体を冷やす飲み物なので体を温める生姜を加えるほどいい塩梅になるのだそうだ。

 

イギリスの文学作品にも生姜はよく出てくる。シェークスピアの恋の骨折り損には、「もしたった1ペニーしか持っていなかったら、あんたは生姜パンをを買った方がいいぞ」などというセリフも出てくる。ルネサンス時代の薬草医として有名なジョンジェラードはこう述べている。「生姜は消化を促す作用があるので、内科理のソースに用いるといい。砂糖漬けにして食べると体が温まる。胃腸の病気をはじめあらゆる病気の予防や治療に役立つ」15世紀カイロで活躍した医師アル・サユティも「預言者に医学」の中で、「生姜は体内のむくみを防ぎ、消化を助け、強力な駆風作用を発揮する。精力を増強させる。去痰作用にも優れている。緩下剤の効果が弱いときは、生姜を食べるとその効果が増す。生姜の砂糖菓子は胃の働きをよくし、胃痛を鎮める。生姜は老人の健康増進に重宝である」とさらに詳しく述べている。

 

18世紀イギリスの外科医、ジェームス・リンドは「生姜の中のビタミンCは長い航海でのビタミンC欠乏症=壊血病を防いでくれる」と述べている。ヨーロッパの医学を1000年以上にもわたってリードしてきたイタリアのサレルノ大学の医学校では「老人はもっと生姜を食べよ。そうすると若い時と同様に愛し、愛され幸せな生活を送れるだろう」と、年配者への強壮・強精剤として生姜を奨励している。

 

生姜の効能は、このように東西を問わず昔から十分に知られていたのだ。

生姜の薬効成分は、ファイトケミカルの力そのもの。。

・生姜には自家解毒剤が備わっている
生姜にはどんな成分があるのか。
現代栄養学による5大栄養素(タンパク質、脂質、ミネラル、糖質、ビタミン)が中心とした分析。

 

植物の体内にはタンパク質や脂質、ミナラル、ビタミン、繊維いがいの重要なはたらきをする「植物性の化学成分=ファイトケミカル」が含まれている。なぜそのような成分があるのかといえば、植物は動物と違い、生えてから枯れるまで同じ場所から動けないためだ。動物は有害が近づいた時、逃げることができるが、植物はそれができない。その間、紫外線、有害昆虫、食べようと近づいてくる小動物、大気汚染など、さまざまな有害物や敵にさらされ生命を脅かされることになる。だから、植物の体内ではそうした有害物が接近してきた場合、近づかないようにしむけたり、自身の体内で解毒できるように強力なメカニズムを有しているからだ。

 

植物の色や香りの成分のほとんどがこの「ファイトケミカル」でトマトやイチゴの赤の色素、ニンジンやオレンジの橙や黄の色素、ブロッコリーの緑の色素、にんにくやタマネギの臭いの成分などがある。赤ワインのポルフェノールやニンジンのβーカロチン、お茶のカテキン、ブルーベリーのアンシアニン、大豆のダイゼインも全てファイトケミカルなのです。そして、いままで私たちが用いてきた漢方薬の有効成分はほとんどがこのファイトケミカルの力によるものなのである。植物体内でさまざまな有害物を解毒するファイトケミカルは、人間の体内に取り入れられても同じように体内の有害物を解毒します。また体内の諸器官・諸細胞のはたらきを賦活して、人間の健康の維持・増進、病気の治療促進に役立つのである。

 

つまり、生姜の薬効成分もこのファイトケミカルの力そのものなのです!

生姜の摂取量は。。

・生姜をどれぐらい摂ればいいのか
生姜研究の第一人者デンマークのオーゼンセ大学のスリワスタワ博士やイスラエルのベーコン博士らの研究によると、健康の維持・増進のための生姜の1日摂取量は、生姜粉末1gが目安とされている。しかし、関節炎の患者が誤って生姜粉末を1回3〜4g摂ったところ、痛みが軽減したという報告もある。量を多めに摂取しても調子がいいのであれば、3〜7gでもかまわない。食欲増進、消化促進が目的であれば、食前10〜15分ごろに摂取するのが望ましい。だが、食事中でも食後でもその効果は十分にある。吐き気止めを目的とするなら、毎日1gを少なくとも旅行の3日前から摂取することが望ましい。

 

心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症予防には、毎日2g摂る必要がある。世界の文献を調べてみると、薬品としての生姜、また食品としての生姜に、副作用に関する研究報告は見当たらない。「日本薬品局」にも副作用の記載はない。米国のFDA(食品薬品局)では、生姜は「GRAS(一般的に見て安全)に当たるハーヴ」として分類をしている。事実、何の警告ラベルもつけずに販売されている。また、1日のうちでいつ摂るのが一番いいというルールもないようだ。もし空腹時に摂ると胃に不快感を感じるなら、食後にするといいしそれでも不安なら生姜の量を減らせばいい。

 

1、39℃以上の発熱時
2、摂ると舌や顔面が異常に紅潮する人
3、1分間90以上の頬脈の人
4、極度の皮膚の乾燥がある人
5、明らかな脱水症状(乏尿、口唇、肌の乾燥)がある場合
何故、このような場合には摂取してはいけないかといえば、生姜は新陳代謝を亢進させるためこうした症状を悪化させる恐れがあるからなのです。

世界各国での生姜の使われ方。。

・世界各国で生姜はこう使われている
アメリカ:
発熱、吐き気、風邪、ガスによる腹痛、頭痛
ブラジル:
風邪、リウマチなどの痛み
中国:
消化不良、食欲不振、生理痛、生理不順
イギリス:
午前中の気分低下など心の不調
インド:
ガスによる腹痛、腹痛、頭痛、リウマチ、胃痛、発熱、咳、糖尿病、結核、生理痛、生理不順
マレーシア:
主産後の体力回復
メキシコ:
消化不良
ナイジェリア:
けが、感染症
サウジアラビア:
吐き気、下痢、腰痛、消化不良、むくみ
タイ:
吐き気、つわり、腰痛、心不全、下痢、消化不良、生理痛、生理不順、主産後の回復、発熱、頭痛