冷え性に生姜(しょうが)

今、カラダを温める食品として、生姜が熱い視線を集めています。

 

生姜入り食品が続々と発売される空前の生姜ブームで、これまで脇役だった生姜が主役の座に躍り出、何にでもマヨネーズをかける「マヨラー」ならぬ何
にでも生姜を入れる「ジンジャラー」も出現しています。生姜は一般的にはカラダを温める食材として有名ですが、温暖な気候で育ち、カリウムを大量に含む典型的な陰性食品で、生の生姜はカラダを冷やす性質を強く持っていると考えられます。では、なぜ生姜が「カラダを温める」と言われているのでしょうか?
それには生姜特有の成分「ジンゲロン」が関係しています。この「ジンゲロン」は強力な発汗作用があるため、摂取すると一瞬カッーっとカラダが熱くなったように感じます。これが温めると勘違いされやすいのです。

 

生の生姜には「ジンゲロール」という辛み成分が含まれています。「ジンゲロール」は血液の中を流れ、手先や足先の末梢で血管を広げる作用があります。生姜を食べると、手先や足先がポカポカしてくるのはそのためですが、これは深部にある熱を末梢に送り出すことでもあるため、深部体温はやや下がってしまうのです。中国の薬学書には、生の生姜には「解熱作用がある」と記述されています。

 

ところが、生姜を乾燥させると、「ジンゲロール」の一部が「ショウガオール」という別の成分に変化します。
「ショウガオール」は胃腸の壁を直接刺激して血流を高め、深部の熱を作り出す働きがあります。乾燥生姜は、「ジンゲロール」と「ショウガオール」の両方の働きで全身を温めることができるため、最近特に注目されていますが、実は乾燥生姜は冷えを改善するため、古くから漢方薬に使われています。中国の薬学書にも乾燥生姜は「寒冷腹痛を止める」「中を温める」という薬能が記述されています。