生姜の外用療法の中で一番代表的なものが「生姜湿布」である。

 

これひとつやり方を知っておけばほとんど事足りてしまうほど
筋肉や関節の痛みからぜん息や気管支炎のセキや下肢のむくみや腫れ、胃腸の痛みや腸閉塞の予防改善、子宮や卵巣の病気や機能不全など、患部またはそこを被っている筋肉や皮膚を温め始めると、直後から気分がよくなってくる。

 

全身の体温も上がり多量の発汗をして、ますます心身の調子がよくなる。
家庭療法のひとつの柱として、この「生姜湿布」をマスターすると様々な面で役立つ。

生姜湿布 材料 作り方 使い方など

材料
生姜=大2個(約150g)
水=カップ10杯(2L)
木綿の袋、若しくは木綿のハンカチ。
厚めのタオル=2枚

 

やり方

1、生姜をおろし金ですりおろす。

なるべく生姜は新しいものでなく、ひね生姜がいい。

2、おろした生姜を木綿の袋に入れて袋の上部をひもでくくる。

木綿のハンカチなどにくるんで輪ゴムで止めるのもいい。

3、水を入れた鍋に2を入れて、強火で熱する。

一度沸騰する寸前で止め、生姜湯をつくる。

4、3が冷めないようにとろ火で温め続ける
5、70℃くらいの生姜湯が入った鍋の中にタオルをひたす。

ヤケドをしないように気を付けながらあまり硬くならない程度にしぼりタオルを患部にあてる。

6、5のままだとすぐに冷えるので、タオルの上にビニールをかぶせておく。

さらにその上に乾いたタオルをのせると、ひたしたタオルの温度を保つことができる。

7、10分くらいしたら冷める

まだタオルを鍋の生姜湯につけてしぼり、ふたたび患部にあてる。

8、5〜7を2〜3回繰り返す。

生姜湯は温め直せば、2〜3日は使える。

 

使い方
痛みや症状がひどいときは、1日2〜3回あてる。
軽い時は1回でいい。生姜湿布をした後、約1時間は入浴すると患部がヒリヒリするので注意が必要。

 

こんなときに
・痛み(疼痛)腹痛や関節痛、筋肉の痛みのある患部にあてる
・肝臓病や腎臓病に対しても、右季肋部(右上腹部)や背中の腎臓の位置にあてる。
・気管支炎やぜん息のとき、胸部にあてて著効を示すことがある。
・腹水は肝臓がんや肝硬変などによって起こる。腹水があるときは腹部に生姜湿布をあてると、尿の出がよくなり軽減できる。下肢のむくみにも有効。
・アトピー性皮膚炎に用いると最初はしみるが、治療を早めてくれることがある。
・膀胱炎には、下腹部にあてると効果を発揮する。

 

アドバイス
まれに、生姜の刺激が強いため皮膚が赤くなったり、かぶれたりする人がいる。この状態になる人は、かぶれない程度まで生姜汁を薄める必要がある。特に顔面にあてるときはまず四肢の皮膚などで試したうえで実施するのが望ましい。