生姜湯で「手足の冷え」「不眠症」を克服。。

・生姜湯で手足の冷えや不眠症を克服した症例

 

155cm、62kg、小太りで外見上は元気そうに見えるFさん。閉経期の50歳ごろから体の冷えが始まった。最近では外のそよ風にあたっただけでも風邪をひく。夏でも靴下を2枚はいて生活する。どんなに暑くてもクーラーを使うなどもってのほか。熱いお茶しか飲めないほどだった。

 

毎夜10時ごろ就寝をしても、夜中の1時ごろ上半身にジトーと寝汗をかき体の全体が冷えてくる。そのたびに眠れない。朝起床時は、手足が冷えて硬直している、腰も冷えて痛いのですぐに起き上がれない。お腹はいつも張った感じ。また、体のあちこちに不快な痛みがあり眠れない。

 

・・・以上のようなことをFさんは訴える。
さまざまな漢方薬、大健中湯、甘湯、真武湯など試してみたが目に見える効果が現れない。これらは生姜を含んだ漢方薬なので、うんと体を温める作用があるはずなのだが・・・。

 

漢方薬の性質として、含有成分の多い薬ほど副作用はすくないが、利き方がシャープではない、という傾向がある。そこで思い切ってFさんに生姜湯だけを毎朝と就寝前の1日2回飲んでもらうことにした。

 

飲み始めてから1週間目あたり、Fさんのお腹の張り痛みが軽くなり始めた。
2週間を過ぎる頃には、寝汗をかかなくなった。さらに続けた後は睡眠が深く、朝、目が覚めてからもスムーズに起きられるようになった。
その後も生姜湯を飲み続けたFさんは、次第にさまざまな細かい症状が治り最近の診察時には快活な笑顔が見られるようになっている。

 

石原先生の見解
不眠症には、遠因に「体の冷え」がある。解消には生姜湯以外に紫蘇の葉を火で炙り、体を温める作用をより強めた「紫蘇の葉加生姜湯」の飲用もいい。また「生姜風呂」に入ると、生姜の芳香成分の作用で安眠を期待できる。